2005年に読んだ本のベスト

先月から今月にかけて大漁だったので、ちょっとセレクトに困ったです。
ちなみに去年のベスト2〜5はここでベスト1はここ。実を言うと、去年のベスト1は今年と比べてもベスト1なんだな。これを抜くのは相当難しい。

で、今年は純粋に「見ず知らずの他人にゴリ押しできそうな本」しばりで、こんなのを選んでみまいた。

イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド

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宣教師ニコライと明治日本 (岩波新書)

宣教師ニコライと明治日本 (岩波新書)

限界の思考 空虚な時代を生き抜くための社会学

限界の思考 空虚な時代を生き抜くための社会学

木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)

木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)

対話の回路―小熊英二対談集

対話の回路―小熊英二対談集

今年のJ1と同じ。甲乙付け難く、だんご状態でラスト100m、みたいな。

で、今年の一品でございますが、

紙つぶて―自作自注最終版

紙つぶて―自作自注最終版

今月買って今年のベスト1つうのもアレだが、ちょっとこれを凌駕する本はそうないやろ、ということで決定。

  • とにかく990ページというボリュームが半端じゃない。箱枕とみまごうばかり。従来の文庫版にほぼ同量の自注を追記してある。読んでも読んでも未だ半分も行かん。でも読み続けてしまう。
  • 批判すればするほど文章は長くなる、という一般則があるでしょう。例えば、ブログのやりとりがウザくなる一因は、批判して再批判してをちょっと繰り返すと幾何級数的にテキストが長くなることです。内角のスライダーを見送らせる論理的必然性として外角に外れる直球がまず必要、など、プロセスドリブンに走ればいくらでも長くなる。本書は、辛口な原稿用紙数枚程度のミニコラムだけで構成されていて、各回が「三球全部ど真ん中ストレート勝負、遊び球なし」。文壇論壇の固有名詞(それも半端じゃないニッチセグメントまで)が批判・称揚の対象としてバシバシ挙がる。論壇学界ドロドロは関係ないんか、この御仁は。
  • ちなみに、御代は5000円以上いたします。まあ、性根入れて買ってください。申しましたとおり、中身は極めて濃ゆく作ってございます。早読みのお方には全く向きません。