去年の7月頃、最初にM氏の異変に気づいたのは妻だった。彼の右目の上あたりの毛が抜け始めていた。医者に見せたほうがいいのでは、とのことで、動物病院に連れて行ったところ、真菌症(リングワーム)と判明しました。
↓の写真は去年の8月初旬、発症して3週間くらいで頭から肩にかけて上から写したもの。最初は右目の上だけだったのが徐々に広がり、首のところに3カ所、リング状のかさぶたらしきものが見える。周囲の毛は塗り薬を使いやすくするため剃ってある。

実はここ以外に、右後ろ足の付け根に卵大のリングがあり、さらに最初に発症した右目上から耳の付け根にかけては、ほぼ顔の半分くらいにまで広がった。上の写真の後、リングが黒に近い紫色に変色して広がり、地図を塗り潰すように毛が抜けていくのです。
あまりに痛ましくて写真に撮れなかったが、一時期の彼の顔は「お岩さん」そのものだった。はちわれの猫の右半分の黒毛を目の上ギリギリまで剃って、皮膚を紫に変色させたような感じといえばご想像がつくだろうか。

真菌症は犬のO氏と娘にも移ってしまったため、獣医師の指示に従いM氏を人間・犬から隔離することになった。合わせて、毎日感染箇所を薬用シャンプーで洗うこと、部屋を毎日掃除して菌の繁殖を押さえること、など。この時セカンドオピニオンを求めて別の医師に見せてたらまた違ったんだろうが、その時はとにかく早く良くなってほしいので忠実に指示通り実行することしか頭になかった。これが長い長い夏の始まりだった。