高級なDQN本

お供としてアーレント『人間の条件』とナボコフ『青白い炎』を持ってきてるが、ナボコフのは出だし50ページで既に迷走。詩人が書いた長編詩130p+編者が書いた註釈340p(詩人も編者も架空)というナイスな構成が、睡魔のローリングサンダーとなって時差ボケの延髄に効いてくる。

  • 富士川先生のあとがき読んでも、読み方について何も触れてない。
  • 「前書き」(これも小説の一部)には、注釈読んでから詩を読めと書いてあるんだが、詩はそんなに難解じゃないのに比べて註釈のほうはDQN感バリバリ。

私の註釈を欠いたならば、シェイド(詩人)のテクストは断じて人間的リアリティを持たない、ということを言わせていただきたい。なぜなら、彼が無頓着に排除した多くの意味深長な詩行を省いたままの(中略)作品における人間的リアリティは、その作者と環境、性向などなどのリアリティ、すなわちわたしの註釈のみが与えることのできるリアリティにまったく依拠しなければならないからである