渡部直己・スガ秀実『新・それでも作家になりたい人のためのブックガイド』(太田出版)

新・それでも作家になりたい人のためのブックガイド

新・それでも作家になりたい人のためのブックガイド

10年ぶり復活のボヤキ漫才。芥川賞2人娘から舞城から矢作からメッタ切り。若手で評価されているのは阿部和重だけ。村上春樹辻仁成は相変わらずゴミ以下の扱い。
古典的文学ディシプリンの崩壊を受けたメタ・シニシズムなのかただのヌルさなのか、言い換えると、アフォを装った知性なのかタダのヴァカなのか、をどうやって見分けるのか、というのが本書のテーマ。答えは、「評価軸をスペックごとに決めろ」。書き出し、描写、人物造形等々、小説における各パーツのスペック評価をケーススタディ付きでご紹介の親切設計。
ただ、"アダとなす"つもりでやる"過ぎた親切"なので、気分を害する人はいるでしょう。いつも思うんだが、これだけ手の内明かしてるんだから、「ハスミのエピゴーネン」だの言わずに「ヌーヴォー・ロマンの密輸入」ってけなしゃいいじゃないかと思う。ちなみに私はヌーヴォー・ロマンについて何も知らんぞ。