抑圧する老師の不在

 pata氏の11/13-16の日記を読まれたし。長文だが、ちょっとでもサッカー知ってたら必読。
 本章の見出しだが、クラマー御大が抑圧してると言いたいんではないのよ。組織のトップは重石がないだけに強い自制心が必要ですが、仮に組織の中にいなくても、絶えず視線を感じさせてくれる「老師」の存在は大きいと思います。柄谷なき(死んでないけど)後の論壇(つうのか?)の「保育園のお遊戯の時間」状態を見よ。
 今のJFAのクラマー世代が抜けた後のことがちょっと心配だけど、川淵氏はそこんとこは考えてると思う。

(W杯アジア予選で苦戦中のジーコ監督に関して)
岡田○ただ、今のような流れになってしまったら、もう後は川淵さんの胸一つでしょ。僕はまだ、あの人に期待してるんだ。(ジーコ解任要求)デモの時だって、すごく紳士的な対応してくれたじゃない。
藤野●休日なのに協会の幹部を待機させて要望書受け取ってくれたもんな。
岡田○ジーコを選んだのが川淵さんなら、ジーコを解任するのも川淵さんの仕事だと思うんだよね。
サポティスタ「ジーコ監督の看取り方」

 もう一つ個人的に覚えているのは、川淵氏がTV番組で、フリューゲルス消滅時にFサポが持ってきた消滅反対署名を受け取った話を、目を真っ赤に腫らしながらしていたこと。
 ジーコを選んだのもフリューゲルスマリノスに合併させたのも、最終責任者は彼である。いわばどちらも自分の業績上触れられたくないことのはずで、そういう時の彼の対応は、某コミッショナーや某ナベツネとは明らかに違う。

あなたはDBFドイツサッカー協会)と言いましたが、どんなイメージをDBFに対して持っているのですか?DBFはいまや机に座って仕事をするお役人だけしかしません。日本サッカー協会の方が遙かに優れています。長沼、岡野、川渕という会長はみんなサッカー選手でした。FIFAに所属する大きなサッカーの組織で、サッカー経験者が組織を動かしているのは日本サッカー協会を除けばベッケンバウアー、ヘーネスなどがいるバイエルン・ミュンヘンだけです。
11/14付pata氏日記

 ミクロレベルでは、俺もブーイングしたいことは山ほどあるが、ベースの部分では今のところ安心して見ていられる。少なくとも、口先だけの「俗情との結託」とは違うレベルで物事が考えられているのは分かる。是非クラマー遺伝子を発展・進化させて良い組織にしてほしい。