おだじまん新刊をえぐり込むように読む
- 作者: 小田嶋隆
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2005/09/15
- メディア: 単行本
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某S○NY元社長の、「TVは30度のけぞって、PCは30度前のめりで見る」論というのがあります。同じディスプレイでも利用者からしたら別のメディアなんであって、「技術上の融合即ドリームメディア誕生」論は甘い、という話。もとは、技術屋マインドにイエローカードのつもりで言ったんだと思うが。同様に、同じテキストでも、紙媒体で読むのとウェブで「見る」のとは全く違う。私がウェブで文章を読む場合、所要時間は15〜20秒、スクロールは2回まで。これを越えるにはよほど惹き込まれないとダメです。これは「一般読者」を想定したウェブテキスト(つまりウェブ上のテキストの大半)に課せられた前提条件だから、そこで勝負するのは実はすごく難しいことでしょう。おだじまんがウェブと紙の両方においてreadableなレベルをウェブで実現しているのは、だからすごいことなんだと思います。
怖いのは、これからのウェブ日記が最初から出版(つまり収入源)を意識して書かれてしまう事。ご本人もその辺りは分かっていると思うが、そうなるとあの放縦にしてアナーキーな文体が変わってしまうんじゃないかと。そもそもブログのコメント欄に律儀に答え出しているあたりが心配だ。無駄な横パスやリターンパスは不要。もっとナカータのようであってもらいたい。トラップミスしたら読者の責任。もしくはカード出して退場。
どだい傲慢さは孤独なんだよな。
って書いてあるじゃん、この本に。
ってか、20秒じゃ読めないぞ今日のエントリーは _| ̄|○